0才からはじめるデンタルケア
虫歯は感染症だということはご存知ですか?
虫歯の原因になる『ミュータンス菌』は、生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には存在しません。しかし、感染を恐れてスキンシップまで避けてしまうのは間違いです。
虫歯は感染症
虫歯の原因になる『ミュータンス菌』は、生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には存在しません。この菌は、歯のツルツルした面にだけくっつく性質を持っているので、歯が生えるまではくっつく場所がないからです。
赤ちゃんは、お母さんやお父さんとのスキンシップや、スプーンや物を共有したりすることで唾液により感染します。乳歯はいずれ抜け落ちてしまいますが、乳歯が虫歯になれば永久歯にも虫歯菌は受け継がれてしまうので、歯が生え始める6ヶ月目頃から少しずつ歯みがきを始めていくことが必要です。
まずは家族がキシリトールを食べることから
キシリトールには、虫歯の原因にならないだけでなく、虫歯の発生・進行を防ぐ効果があります。ある研究では、お母さんがキシリトールガムを食べ続けた結果、こどもにむし歯菌が感染する割合が低くなったという結果も出ています。
むし歯の原因にならない | ・プラーク中のpHを5.7以下にさげない |
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むし歯の発生・進行を防ぐ | ・プラークの量と付着性を減少させる |
虫歯になってからの通院は大変
虫歯ゼロ大国スウェーデンでは、まだ歯が生えていない赤ちゃんのときから、授乳後に歯ブラシを口の中に入れて自然に歯ブラシに慣れさせます。そうすると赤ちゃんも歯ブラシを口に入れられることにストレスを感じなくなり、食後に歯みがきをすることに抵抗を覚えなくなります。
虫歯になる前に受診をして、虫歯予防の正しい知識を持ち、それをおうちで実践するようにしましょう。0才からの通院は大変かと思います。しかし、虫歯になってからの通院はもっと大変です。
感染の窓(1才7ヶ月~2才)
生後19ヶ月~31ヶ月の間、虫歯菌に感染することが多いと言われています。しかし、感染を恐れてスキンシップまで避けてしまうのは間違いです。感染に対して神経質になりすぎるのではなく、保護者の方が自分のお口の健康を大切にすることが、そのままお子さまのお口の健康を保つことにつながります。
また、お母さんのお口の中の善玉菌をお子さまに移してあげることも必要です。善玉菌が住み着くと、今度は虫歯菌に感染しにくくなります。感染しやすいと言われているこの期間に虫歯菌がうつらなければ、虫歯になりにくくなるのです。
そこで問題はお母さんや主な保護者の方のお口の中の虫歯菌の量です。妊娠中は不規則な生活や偏食、つわりなどでお口の中の衛生状態がおろそかになり、お口の中が汚れやすい状態になります。また、治していない虫歯があると、さらにミュータンス菌が増加してしまいます。家族みんなでお子さまのお口の健康を考えましょう。
咬むことであごが発育
近年では、柔らかい物を食べる頻度が多くなり、咬む回数や咬む必要が減ってしまっています。本来であれば、咬むことであごの発育がおこり、自然と矯正されていたことができなくなっているのです。その結果、あごが小さくなってガタガタの歯並びになってしまったり、唾液が少なくなって虫歯になりやすくなってしまったりということが起きています。その他にも、糖分の摂りすぎも挙げられます。ジュースやお菓子をたくさん摂ってしまうと結果としてカルシウムの活性が妨げられ、歯そのものが弱くなってしまう傾向にあります。
これらによって咬み合わせのバランスが崩れ、全身にまで影響を及ぼしてしまう可能性があるのです。
0才からはじめるデンタルケア「今からできること」
お子さまとのお食事を楽しみながら、一緒にたくさん咬みましょう。
たくさん咬むことは、あごの成長を促進するだけでなく、脳の発育にも影響します。また、たくさん咬んで唾液を出すことは、お口や全身の健康につながります。
おやつにも気をつけましょう。
キシリトール等、虫歯にならないという甘味料が使われているお菓子を選ぶと尚良いでしょう。食べた後の歯磨きや、ぶくぶくうがいの習慣をつけることも大切です。
仕上げ磨きをしましょう。
歯の表面についた汚れをキレイに取ることはとても大事です。歯がツルツルしているという感触をお子さまに教えてあげてください。
寝る前のフッ素を塗ってあげましょう。
歯の表面の汚れが取れたら、最後にフッ素を塗ってあげましょう。フッ素を塗った後はなるべくうがいはせずに、お口の中にフッ素の成分を残した状態で寝させてあげください。そうすることで寝ている間にフッ素が歯に効果的に浸透します。